西村京太郎 [小説]
私は推理小説が大好きです。どれ位好きかと言うと、学生時代、図書委員長の職権を乱用して、予算全てを推理小説に注ぎ込んで、大目玉をくらったくらい大好きです。
その予算全てを注ぎ込んだ作家こそ、西村京太郎です。
西村京太郎は、世間では「トラベルミステリー」「大衆受けする作家」とのイメージが強いですが(最近はそうでもないかも)、ここで私は声を大にして言いたい。
「西村京太郎の初期作品を侮るなかれー!」
いや、「寝台特急殺人事件」以降は、トラベルミステリーがブームとなり、長い期間、氏の作品はトラベルミステリー一色になりましたが。デビューから初期の作品は傑作が多いんですよ。
本格推理、社会派、サスペンス、ミステリー、パロディ、時代劇、海洋物、青春物と、幅広く書いており、奇抜で壮大なスケールや、トリックの謎解き、ラストのどんでん返しなど、バラエティに富んだ発想と、ストーリーの魅力に、私はすっかり嵌ってしまいました。
【ちょっとだけ作品紹介】
日本全国民を誘拐し、その身代金額5千億円「華麗なる誘拐」
息子の無実を証明する為に、無人島に町を作り上げ殺人劇を再現する「七人の証人」
地方都市に“反東京”という狂気が覆う「盗まれた都市」
銀座に無数の蝶が舞う。連続自殺する狂気の教団「黙示録殺人事件」
戦争時に沈没した潜水艦から、時を越えて送られてくるSOS「発信者は死者」
クイーン、メグレ、ポワロそして明智小五郎が集結「名探偵なんか怖くない」
東京→タヒチ島ヨットレース。時間と距離の鉄壁のアリバイ「赤い帆船」
結構、本格推理も描いており、どれも質が高いです。本格推理作家の綾辻行人氏とも対談を行っています(新装版「名探偵なんか怖くない」に収録)。
本格推理ファンからの評価も高い「殺しの双曲線」や、「名探偵シリーズ」にも、対談で触れており、中々興味深いです。(綾辻行人氏が「華麗なる誘拐」を好きなのが意外でした)
また、西村京太郎は、導入部の書き出しが非常に上手いです。読み始めたら最後、あれよあれよと言う間に、本編に引き込まれてしまいます。
文章のテンポも良いです。連城三紀彦氏は、「盗まれた都市」文庫版の解説で、“氏の小説は、芝居の三階席からの視線”と評しており、下記のように解説しています。
「芝居というのはあまり舞台近くの特等席で見ると、役者の表情や細かい演技が楽しめるぶん、物語のスケールや全体の流れが殺がれるという弱点がある。本当にいい芝居というのは舞台からいちばん遠い席で見ても面白いものである」
まさしくその通りだと思います。過剰な人物描写や、風景描写がくどく、数ページに渡りセリフ無しの小説を書く作家に聞かせてあげたいくらいです。
私は、今でも西村京太郎の小説を読み返していますが、特にお気に入りが、左文字進シリーズです。ドイツ系アメリカ人と日本人のハーフで、青い目をした探偵です。「華麗なる誘拐」と「盗まれた都市」は、何度読み返したか覚えていません。
実は、左文字進シリーズは、二時間ドラマでシリーズ化されました。いや、びっくりしましたね、「何故、今更?」と。まぁ、ハーフの左文字を、水谷豊さんが演じており、内容も設定も全くの別物でしたが。(水谷豊さんに関しては、何れ書き連ねる予定です)
更に、内村光良主演の「恋人はスナイパー」の劇場版は、「華麗なる誘拐」を原作としているそうです。一番好きな作品であるので見てみたいと思う反面、まったく違ってガッカリするのも嫌だなぁと思い、まだ見ていません。
今はまた、初期の作品を読み直しており(結構内容を覚えてないので新鮮な気持ちで読む事が出来る)、古本屋に寄った際は、必ず西村京太郎の作品をチェックしています。
湯河原にある「西村京太郎記念館」にも、何時かは行ってみたいと思っています。
その予算全てを注ぎ込んだ作家こそ、西村京太郎です。
西村京太郎は、世間では「トラベルミステリー」「大衆受けする作家」とのイメージが強いですが(最近はそうでもないかも)、ここで私は声を大にして言いたい。
「西村京太郎の初期作品を侮るなかれー!」
いや、「寝台特急殺人事件」以降は、トラベルミステリーがブームとなり、長い期間、氏の作品はトラベルミステリー一色になりましたが。デビューから初期の作品は傑作が多いんですよ。
寝台特急(ブルートレイン)殺人事件―ミリオンセラー・シリーズ (光文社文庫)
- 作者: 西村 京太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/09/08
- メディア: 文庫
本格推理、社会派、サスペンス、ミステリー、パロディ、時代劇、海洋物、青春物と、幅広く書いており、奇抜で壮大なスケールや、トリックの謎解き、ラストのどんでん返しなど、バラエティに富んだ発想と、ストーリーの魅力に、私はすっかり嵌ってしまいました。
【ちょっとだけ作品紹介】
日本全国民を誘拐し、その身代金額5千億円「華麗なる誘拐」
息子の無実を証明する為に、無人島に町を作り上げ殺人劇を再現する「七人の証人」
地方都市に“反東京”という狂気が覆う「盗まれた都市」
銀座に無数の蝶が舞う。連続自殺する狂気の教団「黙示録殺人事件」
戦争時に沈没した潜水艦から、時を越えて送られてくるSOS「発信者は死者」
クイーン、メグレ、ポワロそして明智小五郎が集結「名探偵なんか怖くない」
東京→タヒチ島ヨットレース。時間と距離の鉄壁のアリバイ「赤い帆船」
結構、本格推理も描いており、どれも質が高いです。本格推理作家の綾辻行人氏とも対談を行っています(新装版「名探偵なんか怖くない」に収録)。
本格推理ファンからの評価も高い「殺しの双曲線」や、「名探偵シリーズ」にも、対談で触れており、中々興味深いです。(綾辻行人氏が「華麗なる誘拐」を好きなのが意外でした)
また、西村京太郎は、導入部の書き出しが非常に上手いです。読み始めたら最後、あれよあれよと言う間に、本編に引き込まれてしまいます。
文章のテンポも良いです。連城三紀彦氏は、「盗まれた都市」文庫版の解説で、“氏の小説は、芝居の三階席からの視線”と評しており、下記のように解説しています。
「芝居というのはあまり舞台近くの特等席で見ると、役者の表情や細かい演技が楽しめるぶん、物語のスケールや全体の流れが殺がれるという弱点がある。本当にいい芝居というのは舞台からいちばん遠い席で見ても面白いものである」
まさしくその通りだと思います。過剰な人物描写や、風景描写がくどく、数ページに渡りセリフ無しの小説を書く作家に聞かせてあげたいくらいです。
私は、今でも西村京太郎の小説を読み返していますが、特にお気に入りが、左文字進シリーズです。ドイツ系アメリカ人と日本人のハーフで、青い目をした探偵です。「華麗なる誘拐」と「盗まれた都市」は、何度読み返したか覚えていません。
実は、左文字進シリーズは、二時間ドラマでシリーズ化されました。いや、びっくりしましたね、「何故、今更?」と。まぁ、ハーフの左文字を、水谷豊さんが演じており、内容も設定も全くの別物でしたが。(水谷豊さんに関しては、何れ書き連ねる予定です)
更に、内村光良主演の「恋人はスナイパー」の劇場版は、「華麗なる誘拐」を原作としているそうです。一番好きな作品であるので見てみたいと思う反面、まったく違ってガッカリするのも嫌だなぁと思い、まだ見ていません。
今はまた、初期の作品を読み直しており(結構内容を覚えてないので新鮮な気持ちで読む事が出来る)、古本屋に寄った際は、必ず西村京太郎の作品をチェックしています。
湯河原にある「西村京太郎記念館」にも、何時かは行ってみたいと思っています。
タグ:小説
2010-12-12 01:17
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