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七人の証人 [小説]

さて、この間「西村京太郎」について書き連ねた事で、無性に「七人の証人」を再読したくなり、探し回りましたが、西村京太郎自体の本がさっぱり置いていませんでした。(ブックオフには結構有るんですが…)

ベストセラー作家の本なので、何時も常備していると思ったんですが、油断しました。一世を風靡して、どこの本屋でも、氏のトラベルミステリーが置いてあったのを思い出すと、少々寂しい感じがします。

まぁ、ネットで何とか購入して、昨日一気に読破しましたが、やはり傑作です。

今の世の中、刑事だからといって、強盗に襲われないという保障は、どこにもない。

お馴染みの十津川警部が、何者かに襲われて誘拐されるシーンから、物語は始まります。相変わらず、導入部の掴みは流石です。

※以下の文章は、ストーリーに触れています。若干ネタバレが入っていますので注意。



七人の証人 (講談社文庫)

七人の証人 (講談社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1983/12/08
  • メディア: 文庫


目が覚めると、そこは見知らぬ町。攫われた理由が分からず、探索していると自分と同じように攫われてきた老若男女の7人。町と思っていたのは、実は無人島に作られたセットであり、やがて七人が一年前の殺人事件の裁判で証人だったと判明した所で、銃弾の音と共に一人の老人が現れます。

その老人の息子こそ、一年前の殺人事件で裁判にかけられ、無実を訴えながら獄中死した殺人犯だったのですが、老人は無人島に作り上げた現場のセットを舞台に事件の再現を行い、七人の証言の真実、息子の無実を証明するのが、誘拐の目的と明かされます。

ちなみに、十津川警部は、有能な立会人という事で連れてこられました。

老人により、次々と証言の矛盾が暴かれ、真相が暴露されていくのですが、その手法が実に論理的です。多種多様の証拠、証言の真実が、老人の一言一言の細かい検証により明らかにされていくのは、一種のカタルシスさえ感じます。

更に、島で新しい連続殺人が発生して、物語は、ますますサスペンスに満ちて加速していきます。もうね、一回読んでいるにも関わらず、一気に読んでしまいましたよ。

巻末の解説にも書いて有りましたが、西村京太郎の読者の興味を飽きさせないテクニックは流石と再認識しました。

ただ、十津川警部に一言言いたい。

「あんた、最後、美味しすぎるぜ!」

いや、あそこまで真相を看破出来た老人なら、真犯人が誰か分かると思うんですよ。

まぁ、老人は息子の無実を証明するのが目的だったので、名探偵よろしく真犯人を推理するのは、十津川警部の役目では有りますけどね。

さて、次は「消えたタンカー」「四つの終止符」「殺しの双曲線」辺りを再読しようかな。

タグ:小説
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