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ネムルバカ [漫画]

さて、今回は“それでも町は廻っている(通称それ町)”のアニメ化でブレイクした、石黒正数の作品「ネムルバカ」です。“それ町”で石黒ファンになった私は、一気に石黒作品を大人買いしてしまいました。

内容は、大学の寮で生活する先輩“鯨井ルカ”と後輩“入巣柚実”。二人の恋愛や進路に悩む大学生活を淡々と描いています(こういったのを日常系漫画と言うのでしょうか?)。

鯨井ルカの「駄サイクル」と言った造語について言及しているサイトが結構有りますが、私は、ラストの方が気になりました。ネタばれになるので、以降は“続きを読む”に書き連ねます。

ネムルバカ (リュウコミックス)

ネムルバカ (リュウコミックス)

  • 作者: 石黒 正数
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2008/03/19
  • メディア: コミック


私は芸能界の仕事の仕組みはよく知りませんが、少女Aを世に送り出すためには、様々な人のバックアップがあった筈です。広報、スポンサー、スタイリスト、カメラマン、記者etc 幾ら商品として作られた虚像だとしても、大勢の人の協力が無ければ簡単には行かない筈です。

大衆的なヒットが確実な曲だとしても、それを苦労して作詞・作曲した人がいて、少女Aの曲が好きで応援してくれるファンも居る。

作中では、プロデューサーは人を商品として扱う商売人の様に描かれています(それほど、あからさまな悪の描写ではありませんが)。それでも前述したように、応援してくれる人、仕事として役割をこなしてきた人、コンサートを成功させるために一生懸命なバックバンドや各種裏方さん。実に多くの人が少女Aの成功目指して頑張っていました。

鯨井ルカはそれらの人々に一切心開く事無く、しかし表向きは廻りに迎合するよう演じ続けていたわけです。

そして、一年後のコンサートで彼らを裏切り、正体を明かし逃走する。多くの人を傷つけ、損害を与えて、誰も得をしない(金銭的にも感情的にも)。入巣柚実のセリフにあるように、まさしく「無意味なテロ」です。

では何故、彼女は壁の扉を開けたのでしょうか?覚悟もないまま、今の生活から抜け出すために寮を出たのでしょうか?


もしかしたら、作中に色んなピースが散らばっており、それらを繋ぎ合わせると、鯨井ルカの想いが読み手側に伝わるのかも知れませんが、私は「えー、だったら最初からデビュー断るか、逃げるにしても筋を通そうよ~」と感じました。

とは言え、それまで描かれていた鯨井ルカに感情移入してたので、一回目読んだ時は、カタルシスもあり、ラストで半泣きになったのも事実です。

漫画にその他大勢の事を考えるのも如何かと思いますが、私は、尾崎豊の曲「15の夜」でも、盗まれたバイクの持ち主の事を深く考えてしまうタイプなんですよね。「一生懸命バイトして貯めたお金で買ったバイクかも知れないのに…」とかね。

でも、何度も読み返したくなる、魅力ある漫画です。普段漫画を買わない私ですが、暫くは石黒正数の作品を追ってみようと思います。“それ町”についても、何れ書き連ねる予定です。

最後に。三角コーナーの海老の尻尾食ったら腹壊すと思うよ。
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